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少々堅い話ですが、国民生活金融公庫の役割について解説してみたいと思います。先ずは杓子定規ですが、国民生活金融公庫のHPから、「薄井 信明」総裁の「挨拶」を抜粋してみます。この内容には、国民生活金融公庫の役割についても述べられています。
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皆さまには、平素より当公庫の業務にご理解とご支援をいただき、誠にありがとうございます。
当公庫は、設立以来、「地域の公庫、身近なこくきん」として、小企業の皆さまへの小口の事業資金融資など、民間金融機関では融資の難しい分野で政策金融機能の発揮に努めてまいりました。小企業は、個々には零細ですが、その総数は膨大で、地域経済の基盤を形成しているほか、次代を担う企業を生み出す苗床にもなっています。また小企業は地域と住民を結ぶ絆としての役割も果たしており、地域社会には欠かせない存在です。小企業はこのように大切な存在であるにもかかわらず、情報の不足、担保力の弱さ、資金需要の小口性等から、民間金融機関ではなかなか対応が難しい分野となっています。当公庫はこのような分野において、民間金融を補完する政策金融を担っています。
平成19年5月18日、「株式会社日本政策金融公庫法」が成立しました。これにより、当公庫は平成20年10月に農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行(国際金融等業務)と統合し、「株式会社日本政策金融公庫」となります。新公庫は、株式のすべてを政府が常時保有するなど、現在の当公庫と同じく公共性の高い組織です。また、当公庫の融資機能については、事業資金融資はそのまま新公庫に承継され、教育資金融資は貸付対象の範囲を縮小して承継されます。
お客さまのお取引については、ご契約内容(金利、返済条件等)を変更することなく新公庫に承継されます。また、統合後もこれまでと同様の手続きで新公庫をご利用いただけます。
万全の態勢で平成20年10月の新公庫への移行を実現できるよう、移行までの間、当公庫がこれまで培ってきた目利き力にさらに磨きをかけるとともに、引き続き自己改革を推進してまいります。また、統合がお客さま・地域・国民の皆さまにとってプラスの効果を生み出すよう、移行準備作業に全力をあげて取り組んでまいります。
今後とも、皆さまの一層のご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。
※出典 国民生活金融公庫HPより。
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何か誤解があるといけませんので、全ての内容をそのまま掲載しましたが、この内容で特に、以下の部分が、国民生活金融公庫の役割だと思います。
「また小企業は地域と住民を結ぶ絆としての役割も果たしており、地域社会には欠かせない存在です。小企業はこのように大切な存在であるにもかかわらず、情報の不足、担保力の弱さ、資金需要の小口性等から、民間金融機関ではなかなか対応が難しい分野となっています。当公庫はこのような分野において、民間金融を補完する政策金融を担っています。」
そうなんです。まさに国民生活金融公庫の役割とは、これなんです!! 私は、小泉政権が樹立された時に、当時の、小泉首相が、「政府系金融機関は全部なくす。民間の銀行がすればよいことだ」と言ってましたが、その時に、ドキッとしました。
だって、例えばですが、民間の銀行、信金などが国民生活金融公庫と同様に、プロパーで無担保・無保証人制度などを実施できるのか?と思いました。不良債権処理が終わったばかりなのに・・・と思うはずです。
もし、民間の銀行、信金などが国民生活金融公庫と同様の無担保・無保証人制度を実施して貸し出したとしましょう。さらに、民間の銀行、信金などは、信用保証付きの融資の貸し出しもするわけです。
そう考えると、例えば、「同じ創業者に2本の融資を同時に、又は連続して行う」ということもありうるわけです。創業者向けに、一つの金融機関がそこまでできますかね?(まあ、ある意味、金融機関にとってもチャンス拡大だとも思いますが・・・。)
単純にこれが、起業家にとって、有利か不利かという話しは長くなるので、ここでは避けますが、先ずは、「国民生活金融公庫の存在は非常に有り難い」ということを理解して欲しいのです。
平成20年10月からは、国民生活金融公庫はなくなって、「日本政策金融公庫」に移行します。政府系金融機関の一本化です。
私が理想だと思う「政策金融機関改革」は、こうです。
「国民生活金融公庫」はこのまま残して、その他の政府系金融機関を統廃合、民営化等する。そして、政府系金融機関は、国民生活金融公庫ともう一つの、2つが理想だ!!
まあ、私が思っているように簡単ではないのでしょう・・・。
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